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古今集・伊勢 忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや 品詞分解と訳

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 今回は、「古今和歌集」と「伊勢物語 小野の雪」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。

◇第一首目「枕とて~」は、「こちらのリンク(枕とて~)」からどうぞ。

◇小野の雪(全文)の品詞分解・訳・解説は、「こちらのリンク小野の雪(全文)」からどうぞ。


古今集・巻18・雑歌下・970 業平朝臣(在原業平) & 伊勢物語 第83段 「小野の雪」(第二首目)

古今集 詞書

惟喬親王のもとにまかり通ひけるを、頭おろして、小野といふ所に侍りけるに、むつきにとぶらはむとてまかりたりけるに、比叡の山のふもとなりければ、雪いと深かりけり。しひてかの室にまかりいたりてをがみけるに、つれづれとして、いともの悲しくて、帰りまうで来て、よみておくりける

(惟喬親王のもとに出入りしていたが、親王が剃髪して、小野という所に住んでいた時に、正月に訪問しようと思っていたところ、そこは比叡山のふもとであったので、雪がとても深く積っていた。それをおして、その庵室に行きついて拝顔した際に、何もすることがなく手持ぶさたなご様子で、たいそう物悲しくて、帰って来て、詠んで贈った歌。)


忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪踏み分けて君を見むとは


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

わすれては ゆめかとぞおもふ おもひきや ゆきふみわけて きみをみむとは


<現代語訳>

あなたが出家されたという現実をつい忘れてしまい、夢ではないかと思ってしまいます。思ってもみませんでした。こんな山里深く雪を踏み分けて、あなたにお会いするようになろうとは。

(小野に出家した惟喬親王を訪ねたあと、親王の境遇の変化を悲しんで詠んだ歌。)


<私の一言>

惟喬(これたか)親王は文徳天皇の第一皇子でありながら、藤原氏によって皇太子位を弟の第四皇子で、まだ生後八か月の惟仁(これひと)親王に奪われて出家したわけですが、この藤原氏というのが・・・以前紹介した、「年ふればよはひは老いぬ~」と詠んで、ご満悦だった藤原良房です。


<作者>

在原業平(ありわらのなりひら)
825年~880年。六歌仙、三十六歌仙の一人。平城(へいぜい)天皇の皇子である阿保(あぼ)親王の第五子、母は桓武天皇の皇女である伊都(いと)内親王。在原の姓を賜って皇族の身分を離れ臣籍に下る。在原行平の異母弟。容姿端麗、奔放でおおらかな性格であったといわれており、「伊勢物語」の主人公「昔男」のモデル。また、「源氏物語」の主人公「光源氏」のモデルとする説も一部にはある。蔵人・右馬頭などを経て蔵人頭・右近権中将・美濃権守に至る、従四位上。在五中将(在原家の五男の意味)、在中将と呼ばれた。朝臣(あそん)は、五位以上の人の姓名につける敬称。
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<品詞分解・語句文法解説>

忘れ :動詞ラ行下二段活用「忘る」の連用形

て :接続助詞

は :係助詞

夢 :名詞

か :疑問の終助詞 
※疑問の係助詞とする説もある。係助詞とした場合も終助詞的用法(文末用法)なので係り結びはない。

と :格助詞

ぞ :係助詞

思ふ :動詞ハ行四段活用「思ふ」の連体形

思ひ :動詞ハ行四段活用「思ふ」の連用形

き :過去の助動詞「き」の終止形

や :反語の終助詞 「思ひきや」(~思ったことがあったでしょうか。いや、思ってもみませんでした。)
※反語の係助詞とする説もある。係助詞とした場合も終助詞的用法(文末用法)なので係り結びはない。

雪 :名詞

踏み分け :動詞カ行下二段活用「踏み分く」の連用形

て :接続助詞

君 :名詞

を :格助詞

見 :動詞マ行上一段活用「見る」の未然形

む :推量の助動詞「む」の終止形

と :格助詞

は :係助詞

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<古典文法の基礎知識>

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<修辞法(表現技法)・係り結び>

・句切れ :二句切れ 三句切れ

・倒置 :第四句以下と第三句が倒置

・係り結び :「ぞ」→「思ふ」


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