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古今集・伊勢 桜花散りかひくもれ老いらくの 品詞分解と訳

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 今回は、「古今和歌集」と「伊勢物語 四十の賀」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。


古今集・巻7・賀歌・349 在原業平朝臣(在原業平) & 伊勢物語 第97段 「四十の賀」


古今集 詞書

堀川大臣の四十の賀、九条の家にてしける時によめる

(堀川の右大臣の四十の賀を九条の家で催した時に詠んだ歌) ※堀川大臣=藤原基経


桜花散りかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

さくらばな ちりかひくもれ おいらくの こむといふなる みちまがふがに


<現代語訳>

桜の花よ。散り乱れて辺りを曇らせておくれ。老いというものがやって来るという道が紛れて分からなくなるように。


<私の一言>

常識的には、「散る」や「老いらく」といった言葉は、お祝いの場にはふさわしくないものですが、業平は敢えてこの言葉を使って相手の不老長寿を願ったんですね。

おそらく、業平自身の老いと死に対する恐怖心も込められているのでしょうが・・・。


<品詞分解・語句文法解説>

桜花 :名詞

散りかひ :動詞ハ行四段活用「散り交ふ(ちりかふ)」の連用形 あちこちに散り乱れる。

くもれ :動詞ラ行四段活用「曇る」の命令形 「あたりが曇るようにしてくれ」の意味。

老いらく :名詞 年老いること。 ※ここでは擬人化している。

の :主格の格助詞

来(こ) :動詞カ行変格活用「来(く)」の未然形

む :推量の助動詞「む」の終止形

と :格助詞

いふ :動詞ハ行四段活用「言ふ」の終止形

なる :伝聞の助動詞「なり」の連体形

道 :名詞

まがふ :動詞ハ行四段活用「紛ふ(まがふ)」の連体形 見分けがつかなくなる。
※「がに」を接続助詞とした場合は終止形。

がに :終助詞(連体形接続) ~だろうから。~するように。
※接続助詞(終止形接続)とする説もある。
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<作者>

在原業平(ありわらのなりひら)
825年~880年。六歌仙、三十六歌仙の一人。平城(へいぜい)天皇の皇子である阿保(あぼ)親王の第五子、母は桓武天皇の皇女である伊都(いと)内親王。在原の姓を賜って皇族の身分を離れ臣籍に下る。在原行平の異母弟。容姿端麗、奔放でおおらかな性格であったといわれており、「伊勢物語」の主人公「昔男」のモデル。また、「源氏物語」の主人公「光源氏」のモデルとする説も一部にはある。蔵人・右馬頭などを経て蔵人頭・右近権中将・美濃権守に至る、従四位上。在五中将(在原家の五男の意味)、在中将と呼ばれた。朝臣(あそん)は、五位以上の人の姓名につける敬称。


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<修辞法(表現技法)>

・句切れ :初句切れ、二句切れ

・擬人法 :老いらく

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<関連>

※業平の歌「桜花散りかひくもれ~」は、下記の歌を踏まえたものと言われている。

古今集・巻17・雑歌上・895 よみ人しらず 題しらず


老いらくの来むと知りせば門さしてなしとこたへてあはざらましを


(老いというものがやって来るとわかっていたならば、門を閉ざして「留守だ」と答えて会わなかったのになあ。)

                              
さし :動詞サ行四段活用「鎖(さ)す」の連用形 閉ざす。鍵をかける。

ざら :打消の助動詞「ず」の未然形

「せば~まし」 :反実仮想の構文。 (もし)~だったら~だろうに。

を :詠嘆の間投助詞 ~のになあ。 ※接続助詞(~のに。)とする説もある。


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