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百人一首(22) 吹くからに秋の草木のしをるれば 品詞分解と訳

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 今回は、「小倉百人一首」収録和歌(歌番号 22番)の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・作者・出典・英訳・MP3音声・おすすめ書籍などについて紹介します。


小倉百人一首 歌番号(22) 文屋康秀
  
   
吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ


<読み(発音)>

フクカラニ アキノクサキノ シオルレバ ムベヤマカゼヲ アラシトユーラン


<音声> ※音声はDownloadして自由に使って下さい。

百人一首022.mp3
(クリックすると、ちょっと音痴なカワイイ棒読みちゃんが歌を読んでくれます。)


<現代語訳>

吹くとすぐに秋の草木がしおれてしまうので、なるほど、それで山風を「荒らし」といい、「嵐」と書くのであろう。


(漢字を分解するなどして詠む中国の離合詩(字訓詩)を模倣して、山風の二字を合わせると嵐になるという文字遊びの歌。文字遊びの技巧的側面と、漢詩の知識に基づく知的側面、さらには秋の物悲しさと野分(台風)の激しさをも詠み合わせているのでしょうね。)


<英訳>

It is by its breath
That autumn's leaves of trees and grass
Are wasted and driven.
So they call this mountain wind
The wild one, the destroyer.
  
『University of Virginia Library Japanese Text Initiative, Ogura Hyakunin Isshu 100 Poems by 100 Poets 』 より英訳を引用


<出典>

古今集・巻5・秋歌下・294 「是貞親王の家の歌合の歌・文屋康秀」

是貞親王の家の歌合(これさだのみこのいへのうたあはせ)
寛平5年(893年)光孝天皇第二皇子の是貞親王家で催された歌合で、秋の歌のみ約90首が残っていて、古今集には22首が入っている。
歌合=左右二組に分かれて、決められた題のもと一首ずつ和歌の優劣を競う遊戯

この歌合に出席したのは、康秀ではなく、息子の朝康であろうと言われている。


<作者>

文屋康秀(ふんやのやすひで)
生没年未詳。平安前期の歌人。字(あざな)は文琳。官位は低く、879年に縫殿助に任じられた。六歌仙の一人。
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<品詞分解・語句文法解説>

吹く :動詞カ行四段活用「吹く」の連体形

からに :接続助詞 ~するとすぐに。

秋 :名詞

の :格助詞

草木(くさき) :名詞

の :格助詞

しをるれ :動詞ラ行下二段活用「しをる」の已然形

ば :順接確定条件(原因理由)の接続助詞 ~ので。

むべ :副詞 なるほど。             

山風(やまかぜ) :名詞

を :格助詞

あらし :名詞 / 形容詞ク活用「荒し」の終止形

と :格助詞

いふ :動詞ハ行四段活用「言う」の終止形

らむ :現在の原因推量の助動詞「らむ」の終止形 (だから)~ているのだろう。

※助動詞「らむ」や接続助詞「ば」などについては、下にリンクを付けてある「古典文法の必須知識」を読んでね。

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<文法特記>

『 むべ 』
上代(奈良時代以前)では「うべ」であったが、中古(平安時代)以降に「むべ」と表記されることが多くなった。


<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

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<和歌の基礎知識>

◎和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◎和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)>

・掛詞 :「あらし」が、「嵐」と「荒らし」の掛詞


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

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