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伊勢物語 筒井つの井筒にかけしまろがたけ 品詞分解と訳

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 今回は、「伊勢物語 筒井筒」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。

◇第二首目「くらべこし~」は、「こちらのリンク(くらべこし~)」からどうぞ。

◇「筒井筒」のこの他の和歌は、「リンク(風吹けば~)」「リンク(君があたり~)」からどうぞ。

◇筒井筒(全文)の品詞分解・訳・解説は、「こちらのリンク筒井筒(全文)」からどうぞ。


伊勢物語 23段 筒井筒(第一首目)


筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに

異文体
筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに


※異文体は「筒井つの」→「筒井筒」


<現代語訳>

筒井戸を囲う井筒(=井戸枠)と比べあった私の背丈も、もうその井筒より高くなってしまったようだなあ。あなたに会わないでいるうちに。

(井戸のそばで遊んだ幼馴染の男女が、成人して互いに思いを寄せあうようになり、男から贈ったプロポーズの歌。)


<和歌の基礎知識>

◇和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◇和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)>

・句切れ :四句切れ

・倒置 :初句(第一句)~第四句⇔結句(第五句)
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<品詞分解・語句文法解説>

筒井(つつゐ) :名詞 筒状に掘り下げた井戸。

つ :この「つ」の意味は不明とされている。 
※「筒井つの井筒」(筒井筒井筒)は、語調を整えるための繰り返しとの説、「筒井つの」(筒井筒)が井筒に係る枕詞的な役割を果たしているとの説などがある。

の :格助詞

井筒(ゐづつ) :名詞 井戸の地上の部分を木材や石などで囲ったもの。

◇「井筒」の現代仮名遣いを、「いつ」だと思っている人たちがいますよ。
「井筒(ゐづつ)」の現代仮名遣いは、もちろん、「いつ」です。
「筒」は「つつ」でしょ、「すつ」ではありませんね。「いつつ」では言いにくいから「いづつ」と濁音になる(連濁する)のです。

に :格助詞

かけ :動詞カ行下二段活用「かく」の連用形 計り比べる。

し :過去の助動詞「き」の連体形

まろ :代名詞 私。

が :格助詞 ~の。

たけ :名詞 身長。背丈。

過ぎ :動詞ガ行上二段活用「すぐ」の連用形

に :完了の助動詞「ぬ」の連用形
※「にき(過去)」「にけり(過去)」「にたり(存続)」の「に」は完了の助動詞。

けらし :過去推定の助動詞「けらし」の終止形 ~たらしい。~たようだ。 ※下の文法特記参照のこと
※「にけらし」=~てしまったらしい。~てしまったようだ。

な :詠嘆の終助詞 ~なあ。

妹(いも) :名詞 (男性から妻・恋人などの女性へ親しみを込めて)あなた。

見 :動詞マ行上一段活用「見る」の未然形

ざる :打消の助動詞「ず」の連体形

ま :名詞

に :格助詞

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<文法特記>

『けらし』
過去の助動詞「けり」の連体形「ける」に、推定の助動詞「らし」が付いた「けるらし」が変化したものと言われている。 
ただし、「けるらし」という形そのものの例は、見いだされていない。

「けらし」が使われている代表的な和歌としては、「春過ぎて夏来にけらし~」


<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

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