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古今集・伊勢 君や来し我や行きけむ思ほえず 品詞分解と訳

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 今回は、「古今和歌集」と「伊勢物語 狩りの使ひ」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。

◇「狩りの使ひ」第二首目「かきくらす~」は、「こちらのリンク(かきくらす~)」からどうぞ。

◇「狩りの使ひ」第三首目「かち人の~」は、「こちらのリンク(かち人の~)」からどうぞ。


古今集・巻13・恋歌3・645 よみ人しらず & 伊勢物語 第69段 「狩りの使ひ」(第一首目)

古今集 詞書(ことばがき)

業平朝臣の伊勢国にまかりたりけるとき、斎宮なりける人にいとみそかに逢ひて、またの朝に、人やるすべなくて思ひをりける間に、女のもとよりおこせたりける


君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか


<現代語訳>

あなたが来たのか、私が行ったのだろうか、はっきりしません。お逢いしたのは夢なのか現実なのか、寝ている間のことか起きている時のことか。

(古今集では、斎宮に後朝の文を渡す方法がなく、悩んでいる所に、その女がよこした歌。伊勢物語では何も語り合わないうちに女は帰ったとなっていて多少状況設定が違う。)

※斎宮(いつきのみや・さいぐう)=代々の天皇の即位ごとに選定されて天皇の名代として伊勢神宮に奉仕した未婚の内親王、女王。天皇の妻である中宮と同格。
※後朝(きぬぎぬ)=男が女の家に泊まった翌朝。


<和歌の基礎知識>

◇和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◇和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)・係り結び>

・句切れ :初句切れ、二句切れ、三句切れ、四句切れ

・倒置 :第四句・第五句も「思ほえず」に係る。

・係り結び :「や」→「し」、「や」→「けむ」
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<品詞分解・語句文法解説>

君 :代名詞

や :疑問の係助詞

来(こ) :動詞カ行変格活用「来(く)」の未然形

し :過去の助動詞「き」の連体形 
◇「来し」の読み方を迷った人は、下の「ワンポイント古典文法」を参照のこと。

我 :代名詞

や :疑問の係助詞

行き(ゆき) :動詞カ行四段活用「行く(ゆく)」の連用形

けむ :過去推量の助動詞「けむ」の連体形

思ほえ(おもほえ) :動詞ヤ行下二段活用「思ほゆ(おもほゆ)」の未然形 (自然に)思われる。

ず :打消の助動詞「ず」の終止形
※「思ほえず」 :はっきりしない。わからない。

夢 :名詞

か :係助詞
※疑問を表し並立する用法で結びを必要としない(以下同じ)。

うつつ(現) :現実

か :係助詞

寝(ね) :動詞ナ行下二段活用「寝(ぬ)」の連用形

て :接続助詞

か :係助詞

覚め(さめ) :動詞マ行下二段活用「覚む(さむ)」の連用形

て :接続助詞

か :係助詞

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<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。


<ワンポイント古典文法 :「来し」の読み方>

通常は連用形接続である過去の助動詞「き」が、カ変・サ変には未然形&連用形に接続する特殊接続(こし、こしか、きし、きしか、せし、せしか、しき)なので、「来し」の読み方を、「こし」or「きし」で迷う人がいるようですが、「来し」は、ほとんどの場合「こし」です。
「きし」と読むのは「来し方(こしかた)or(きしかた)」(たどって来た方角。過ぎ去った時。)の形の一部。
源氏物語や蜻蛉日記で見られる程度の限定的なものです。


<在原業平・二条の后>

在原業平や二条の后については、「百人一首 ちはやぶる~」の記事を参照のこと。


<和歌索引>

◆ブログ内の和歌を探す時は、カテゴリーではなく下に示す各一覧を利用してね。

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

古文や和歌を学ぶための学習書や古語辞典については、おすすめ書籍を紹介した下の各記事を見てね。
《古文・和歌の学習書の記事へ⇒》

《品詞分解付き対訳書の記事へ⇒》

《古語辞典の記事へ⇒》
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◇関連記事 (前後の7記事を表示)
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