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万葉集 白珠は人に知らえず知らずともよし 品詞分解と訳

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 今回は、「万葉集」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。


万葉集 巻6・1018 元興寺の僧(がんごうじのそう)

十年戊寅(つちのえとら)、元興寺の僧(ほうし)の、自ら嘆く歌一首
(天平十年戊寅の年、元興寺の僧が、自ら嘆いた歌一首)


白珠は人に知らえず知らずともよし知らずともわれし知れらば知らずともよし


<万葉仮名>

白珠者 人尓不所知 不知友縦 雖不知 吾之知有者 不知友任意


<現代語訳>

真珠はその価値を人に知られない。人は知らなくともよい。知らなくとも、自分自らが知っているならば、人は知らなくともよい。

(自らを白珠にたとえて、自分の才能や価値を正当に評価されない嘆きを詠んだ歌。)


<品詞分解・語句文法解説> 歌

白珠(しらたま) :名詞 白い美しい玉、特に真珠。

は :格助詞

人 :名詞

に :格助詞

知ら :動詞ラ行四段活用「知る」の未然形

え :上代(奈良時代以前)の受身の助動詞「ゆ」の未然形

ず :打消の助動詞「ず」の終止形

知ら :動詞ラ行四段活用「知る」の未然形

ず :打消の助動詞「ず」の終止形

とも :接続助詞

よし :形容詞ク活用「よし」の終止形

知ら :動詞ラ行四段活用「知る」の未然形

ず :打消の助動詞「ず」の終止形

とも :接続助詞

われ :代名詞

し :強意の副助詞 ※強意の副助詞「し」は、無理に訳出しなくてもOK。

知れ :動詞ラ行四段活用「知る」の已然形

ら :完了の助動詞「り」の未然形

ば :順接仮定条件の接続助詞 ~ならば。

知ら :動詞ラ行四段活用「知る」の未然形

ず :打消の助動詞「ず」の終止形

とも :接続助詞

よし :形容詞ク活用「よし」の終止形
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<文法特記>

強意の副助詞「し」~接続助詞「ば」=「AしBば構文」(「し」が強意の副助詞であることを識別できる形)

※この他に「AしBば構文」の歌としては、「唐衣きつつなれにし~」「名にし負はば逢坂山の~」「年ふればよはひは老いぬ~」などなど。

※この構文の接続助詞「ば」の意味は、文脈に応じて4つの意味の中から選択する。

※接続助詞「ば」については、下にリンクを付けてある「古典文法の必須知識」を読んでね。


<語句文法解説> 題詞

十年 :天平十年(738年)

戊寅(つちのえとら) :十干十二支を組み合わせて年を表したもの。

元興寺 :奈良にあった平城京時代の寺

※「題詞(だいし)」=和歌の前書き。万葉集以外では「詞書(ことばがき)」。


<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。

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<和歌の基礎知識>

◇和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◇和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)>

・頭韻(とういん)=句の頭の音が「イ段音」(第五句を除いて)

・反復法 :「しら」の繰り返し


<私の一言>

早口言葉のような和歌の第二弾です。

この歌は旋頭歌(五・七・七、五・七・七)ですね。

「しら」や「よし」や「とも」は同音反復の言葉遊びなんでしょうかね。

・この他の早口言葉のような和歌
よき人のよしとよく見てよしと言ひし芳野よく見よよき人よく見

来むといふも来ぬ時あるを来じといふを来むとは待たじ来じといふものを


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

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