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古今集 春の色のいたりいたらぬ里はあらじ 品詞分解と訳

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今回は、「古今和歌集」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。


古今集・巻2・春歌下・93 よみ人しらず

題しらず


春の色のいたりいたらぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらむ


<平仮名>

はるいろの いたりいたらぬ さとはあらじ さけるさかざる はなのみゆらむ


<現代語訳>

春の色が及んでいる里、そうでない里という別はないだろう。一様に春の気配なのに、どうして咲いている花と咲いていない花とが見えるのだろう。


<品詞分解・語句文法解説>

春 :名詞

の :格助詞

色 :名詞

の :主格の格助詞

いたり :動詞ラ行四段活用「至る」の連用形

いたら :動詞ラ行四段活用「至る」の未然形

ぬ :打消の助動詞「ず」の連体形

里 :名詞

は :係助詞

あら :動詞ラ行変格活用「あり」の未然形

じ :打消推量の助動詞「じ」の終止形 ~まい。~ないだろう。

咲け :動詞カ行四段活用「咲く」の已然形

る :存続の助動詞「り」の連体形

咲か :動詞カ行四段活用「咲く」の未然形

ざる :打消の助動詞「ず」の連体形

花 :名詞

の :主格の格助詞

見ゆ :動詞ヤ行下二段活用「見ゆ」の終止形

らむ :現在の原因推量の助動詞「らむ」の連体形 どうして~なのだろう。 ※下の文法特記を参照のこと。
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<文法特記>

※「らむ」が連体形になる理由
「花の」の「の」が主格を表す格助詞(~が。)であり、主格の格助詞「が」「の」が用いられて文が終始する場合は、それに呼応して述語は連体形となり余情・詠嘆を表す。「連体形止め(連体止め)」の一形態。

このブログで取り上げた同じ用法の和歌としては、「ひさかたの光のどけき~」

「主格の格助詞~連体形」の例として有名な和歌は、
み吉野の山の白雪踏み分けて入りにし人おとづれもせ (古今集・冬歌・327・壬生忠岑)

※助動詞「り」や「らむ」などについては、下にリンクを付けてある「古典文法の必須知識」を読んでね。


<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。

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<和歌の基礎知識>

◎和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◎和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)>

句切れ :三句切れ

対句 :「いたりいたらぬ」、「咲ける咲かざる」

頭韻(とういん) :句の頭の音が「ア段音(は・○・さ・さ・は)」(第二句を除いて)


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

古文や和歌を学ぶための学習書や古語辞典については、おすすめ書籍を紹介した下の各記事を見てね。
《古文・和歌の学習書の記事へ⇒》

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