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助長(孟子) 書き下し文と現代語訳

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 今回は、故事成語「助長」の白文(原文)、訓読文、書き下し文、現代語訳(口語訳・意味)、読み方(ひらがな)、語句・文法・句法解説、おすすめ書籍などについて紹介します。


【助長:じょちょう】 《孟子:もうし・公孫丑上》


<原文>

宋人有閔其苗之不長而揠之者。芒芒然帰、謂其人曰、「今日病矣。予助苗長矣。」其子趨而往視之、苗則槁矣。天下之不助苗長者寡矣。


<助長の意味>

手助けしてかえって損害を与えてしまうこと。

力添えをして成長させる意味で使われることもある。



◇送り仮名や句読点などは本によって若干違う場合があるので、あなたのテキストに従ってください。

◇書き下し文のルールについては、このページ下段に記載しています。

◇返り点の読み方、置き字などについて知りたい場合は、「漢文の基礎知識」を読んでね。

◇現代仮名遣いのルールについて知りたい場合は、「現代仮名遣いの基礎知識」をどうぞ。



《白》 白文
《訓》 訓読文(返り点・送り仮名・句読点など) ※返り点送り仮名 ※置き字
《書》 書き下し文(歴史的仮名遣い)
《仮》 読み方・現代仮名遣い(ひらがな)
《訳》 現代語訳(口語訳)
※《別の訓読および読みなどがある場合は、その主なものを訳の下に記載》


《白》 宋人有閔其苗之不長而揠之者
《訓》 宋人ヘテ苗之不一レルヲ
《書》 宋人に其の苗の長ぜざるを閔へて之を揠く者有り。
《仮》 そうひとに その なえの ちょうぜざるを うれえて これを ぬく もの あり。
《訳》 宋の国の人に自分の植えた苗が(なかなか)生長しないのを心配して、(早く伸びるように)これを引っ張った者がいた。

《白》 芒芒然帰謂其人曰
《訓》 芒芒然トシテ、謂ヒテハク
《書》 芒芒然として帰り、其の人に謂ひて曰はく、
《仮》 ぼうぼうぜんとして かえり、 その ひとに いいて いわく、
《訳》 (全部の苗を引っ張り終わると)疲れ果てた様子で(家に)帰り、家の者に向かって言った、

《白》 今日病矣
《訓》 「今日病レタリ
《書》 「今日病れたり。
《仮》 「こんにち つかれたり。
《訳》 「今日は疲れてしまった。

《白》 予助苗長矣
《訓》 予助ケテゼシムト。」
《書》 予苗を助けて長ぜしむ。」と。
《仮》 われ なえを たすけて ちょうぜしむ。」と。
《訳》 私は苗(の生長)を助けて、(引っ張って)生長させてやった。」と。
※《長ゼシムト → 長ゼシム :会話文が置き字で終止する場合の「ト」の送り方の違い》
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《白》 其子趨而往視之、苗則槁矣。
《訓》 其子趨リテキテレバ、苗レタリ
《書》 其の子趨りて往きて之を視れば、苗は則ち槁れたり。
《仮》 その こ はしりて ゆきて これを みれば、 なえは すなわち かれたり。
《訳》 (これを聞いた)その家の子供が(驚いて)走って行って、苗を見てみると、苗はすっかり枯れてしまっていた。

《白》 天下之不助苗長者寡矣。
《訓》 天下之不ケテゼシメ者寡ナシ
《書》 天下の苗を助けて長ぜしめざる者寡なし。
《仮》 てんかの なえを たすけて ちょうぜしめざる もの すくなし。
《訳》 世の中には苗(の生長)を助けて、(無理に引っ張って)生長させない者は少ない。(=無理に引っ張って生長させる者が多い。=世の中には結果を性急に求めて、手助けしてかえって損害を与える、浅はかなことをする者が多い。)


<語句・文法・句法解説>

閔 :心配する。

而 :置き字。この文章では「~テ」の送り仮名になっている。

揠 :引き伸ばす。引っ張る。

芒芒然 :疲れ果てた様子。

謂A曰 :Aに向かって言う。 謂=話しかける。告げる。

其人 :宋人の家族のこと。

病 :疲れる。

シム :使役の助動詞(~させる。)

矣 :置き字。断定の意を表す。

其子 :宋人の子。

趨 :足早に走る。

之 :苗を指す。

則 :述語の送り仮名「レバ」の後に「則」が来る「レバ則」の形。「~すれば・~すると(条件)、(その時には)~(結果)。」

槁 :枯れる。

天下 :世の中

寡 :少ない。

不~寡 :「~ない~は少ない。」=「~は多い。」

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<書き下し文のルール>

◇書き下し文(かきくだしぶん)とは、訓点(返り点・送り仮名・句読点など)に従って、漢字仮名交じりで書いた歴史的仮名遣いの日本文のこと。

①漢文に付いているカタカナの送り仮名は歴史的仮名遣いのまま平仮名で書く。

②日本語の助詞や助動詞にあたる漢字は平仮名に直す。

③再読文字は最初の読みの部分は漢字+送り仮名、二度目の読みの部分は平仮名で書く。
・例:未。(未だ知らず。) 

④訓読しない漢字(置き字)は書き下し文に書かない。

⑤会話文・引用文の終わりの送り仮名「~」は、「と」を「」の外に出し、「~。」と。と書く。
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