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画竜点睛(歴代名画記) 書き下し文と現代語訳

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 今回は、故事成語「画竜点睛」の白文(原文)、訓読文、書き下し文、現代語訳(口語訳・意味)、読み方(ひらがな)、語句・文法・句法解説、おすすめ書籍などについて紹介します。


【画竜点睛:がりょうてんせい】 《歴代名画記:れきだいめいがき》


<原文>

張僧繇、呉中人也。武帝崇飾仏寺、多命僧繇画之。金陵安楽寺四白竜、不点眼睛。毎云、「点睛即飛去。」人以為妄誕、固請点之。須臾雷電破壁、両竜乗雲、騰去上天。二竜未点眼者、見在。


<画竜点睛の意味>

物事を完成させる最後の仕上げ。

また、大切な点が抜けていることを「画竜点睛を欠く」という。



◇送り仮名や句読点などは本によって若干違う場合があるので、あなたのテキストに従ってください。

◇書き下し文のルールについては、このページ下段に記載しています。

◇返り点の読み方、置き字などについて知りたい場合は、「漢文の基礎知識」を読んでね。

◇現代仮名遣いのルールについて知りたい場合は、「現代仮名遣いの基礎知識」をどうぞ。



《白》 白文
《訓》 訓読文(返り点・送り仮名・句読点など) ※返り点送り仮名 ※置き字
《書》 書き下し文(歴史的仮名遣い)
《仮》 読み方・現代仮名遣い(ひらがな)
《訳》 現代語訳(口語訳)
※《別の訓読および読みなどがある場合は、その主なものを訳の下に記載》


《白》 張僧繇呉中人也
《訓》 張僧繇、呉中人也。
《書》 張僧繇は、呉中の人なり。
《仮》 ちょうそうようは、ごちゅうの ひとなり。
《訳》 張僧繇は、呉中の人であった。

《白》 武帝崇飾仏寺多命僧繇画之
《訓》 武帝崇-飾スルニ仏寺、多ジテ僧繇カシム
《書》 武帝仏寺を崇飾するに、多く僧繇に命じて之に画かしむ。
《仮》 ぶてい ぶつじを すうしょくするに、 おおく そうように めいじて これに えがかしむ。
《訳》 (梁の)武帝は仏寺を立派に飾るときには、たいてい僧繇に命じて仏寺に絵を描かせていた。
※《崇飾するに → 崇飾し:訳=立派に飾り》

《白》 金陵安楽寺四白竜不点眼睛
《訓》 金陵安楽寺四白竜、不眼睛
《書》 金陵の安楽寺の四白竜は、眼睛を点ぜず。
《仮》 きんりょうの あんらくじの しはくりょうは、 がんせいを てんぜず。
《訳》 (ところが、僧繇は、梁の都)金陵の安楽寺の四匹の白い竜には、瞳を描き入れなかった。
※《「竜」の読みは「りょう」または「りゅう」》

《白》 毎云点睛即飛去
《訓》 毎、「点ゼバラント。」
《書》 毎に云ふ、「睛を点ぜば即ち飛び去らん。」と。
《仮》 つねに いう、 「ひとみを てんぜば すなわち とびさらん。」と。
《訳》 (僧繇は)いつも言っていた、「(竜に)瞳を描き入れたならば、ただちに飛び去ってしまうだろう。」と。
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《白》 人以為妄誕固請点之
《訓》 人以ツテ妄誕、固ゼンコトヲ
《書》 人以つて妄誕と為し、固く之を点ぜんことを請ふ。
《仮》 ひと もって もうたんと なし、 かたく これを てんぜん ことを こう。
《訳》 人々はでたらめだと思って、強く(竜に)瞳を描き入れることを求めた。
※《之を → 之に》
※《固ヒテゼシム:固く請ひて之を点ぜしむ:訳=強く求めて瞳を描き入れさせた》

《白》 須臾雷電破壁両竜乗雲騰去上天
《訓》 須臾ニシテ雷電破、両竜乗、騰去シテ
《書》 須臾にして雷電壁を破り、両竜雲に乗り、騰去して天に上る。
《仮》 しゅゆにして らいでん かべを やぶり、 りょうりょう くもに のり、 とうきょして てんに のぼる。
《訳》 (僧繇がその求めを聞き入れて、四匹のうち二匹の竜に瞳を描き入れると)一瞬のうちに稲妻が壁を突き破り、二匹の竜は雲に乗り、躍り上がって天にのぼっていってしまった。
※《騰リテ上天:騰りて上天に去る:おどりて じょうてんに さる》

《白》 二竜未点眼者見在
《訓》 二竜、見
《書》 二竜の未だ眼を点ぜざる者は、見に在り。
《仮》 にりょうの いまだ めを てんぜざる ものは、 げんに あり。
《訳》 二匹のまだ瞳を描き入れていない竜(の絵)は、今もある。
※《見に在り → 見在す:げんざいす》


<語句・文法・句法解説>

張僧繇 :南北朝時代の梁(りょう)の画家。

呉中 :現在の江蘇省蘇州市。

武帝 :梁の初代皇帝。

崇飾 :立派に飾る。美しく飾る。

多 :たいてい。

命 :《命ジテ・・・シム》 ~に命じて・・・させる。《使役》

画 :絵を描く。

金陵 :梁の都。現在の江蘇省南京市。

安楽寺 :当時の大寺院。

四白竜 :四匹の白い竜。

点 :描き入れる。

眼睛 :瞳。

即 :すぐに。ただちに。

以為 :~と思う。

妄誕 :でたらめ。うそ。

固 :強く。

請 :~することを願う。~することを求める。《願望》

須臾 :一瞬のうちに。たちまち。

雷電 :稲妻。

騰去 :躍り上がる。

「二竜の」の「の」 :同格の格助詞。~で。  「二竜」=「者」。
※正確には、「二匹の竜でまだ瞳を描き入れていない二匹の竜は」のように訳出する。

未 :まだ~ない。《再読文字》

見 :今も。現在も。

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<書き下し文のルール>

◇書き下し文(かきくだしぶん)とは、訓点(返り点・送り仮名・句読点など)に従って、漢字仮名交じりで書いた歴史的仮名遣いの日本文のこと。

①漢文に付いているカタカナの送り仮名は歴史的仮名遣いのまま平仮名で書く。

②日本語の助詞や助動詞にあたる漢字は平仮名に直す。

③再読文字は最初の読みの部分は漢字+送り仮名、二度目の読みの部分は平仮名で書く。
・例:未。(未だ知らず。) 

④訓読しない漢字(置き字)は書き下し文に書かない。

⑤会話文・引用文の終わりの送り仮名「~」は、「と」を「」の外に出し、「~。」と。と書く。
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