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百人一首(9) 花の色は移りにけりないたづらに 品詞分解と訳

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 今回は、「小倉百人一首」収録和歌(歌番号 9番)の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・作者・出典・英訳・MP3音声・おすすめ書籍などについて紹介します。


小倉百人一首 歌番号(9) 小野小町
  

花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに

  
<読み(発音)>

ハナノイロワ ウツリニケリナ イタズラニ ワガミヨニフル ナガメセシマニ


<音声> ※音声はDownloadして自由に使って下さい。

百人一首009.mp3
(クリックすると、ちょっと音痴なカワイイ棒読みちゃんが歌を読んでくれます。)


<現代語訳>

《訳A》
桜の花の色はあせてしまったことだなあ。むなしく私がこの世で月日を過ごし、物思いにふけっていた間に長雨が降り続いて。

《訳B》
桜の花の色はあせてしまったことだなあ、長雨が降り続いた間に。(そして、私の容色も衰えてしまったなあ、)むなしく私がこの世で月日を過ごし、物思いにふけっていた間に。

(掛詞の係り方や、「いたづらに」の係り方など、この歌の解釈には諸説あるので、2通りの訳を記載しました。2つの掛詞による複雑かつ重層的な歌ですね。個人的には花を作者の容色に見立てたBの訳が好きです。
第三句(腰の句)の「いたづらに」は、①初句~第二句に係るとする説、②第四句~第五句(下の句)に係るとする説、③両方に係るとする説があります。)


<英訳>

Color of the flower
Has already faded away,
While in idle thoughts
My life passes vainly by,
As I watch the long rains fall.
  
『University of Virginia Library Japanese Text Initiative, Ogura Hyakunin Isshu 100 Poems by 100 Poets 』 より英訳を引用


<出典>

古今集・巻2・春歌下・113 「題しらず・小野小町」

     
<作者>

小野小町(おののこまち)
生没年不詳。平安前期の歌人。六歌仙、三十六歌仙の一人。出羽の国(今の秋田県・山形県)の出身で、宮中で天皇の食事の世話などに携わった女官である采女(うねめ)だという説があり、采女は地方の豪族の子女で容姿の美しいものが選ばれたこともあり、絶世の美女として伝説化されているが、美女のわりには落魄な(落ちぶれた)伝説が多い。
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<品詞分解・語句文法解説>

花 :名詞 「桜」のこと。

の :格助詞

色 :名詞

は :係助詞

移り :動詞ラ行四段活用「移る」の連用形 色があせる。(時間が)経過する。この歌では容色が衰える意味も。
 
に :完了の助動詞「ぬ」の連用形
※「にけり(過去)」「にき(過去)」「にたり(存続)」の「に」は完了の助動詞。

けり :詠嘆の助動詞「けり」の終止形
※和歌で使われている助動詞「けり」は詠嘆。

な :詠嘆の終助詞

いたづらに :形容動詞ナリ活用「いたづらなり」の連用形 無益だ。むなしい。

わ :代名詞

が :格助詞

身 :名詞

世 :名詞

に :格助詞

ふる :動詞ハ行下二段活用「経(ふ)」の連体形 月日を過ごす。 / 動詞ラ行四段活用「降る」の連体形

ながめ :名詞 「長雨」 / 「眺め(物思いにふけること)」

せ :動詞サ行変格活用「す」の未然形

し :過去の助動詞「き」の連体形

ま(間) :名詞

に :格助詞

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<修辞法(表現技法)>

・句切れ :二句切れ

・掛詞 :「ふる」が、「経る」と「降る」の掛詞
     :「ながめ」が、「長雨」と「眺め」の掛詞

・縁語 :「降る」と「長雨」は縁語

・倒置 :初句~第二句と第三句以下が倒置

・見立て :花を作者の容色に見立てた解釈(訳B)もある。

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