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おすすめ国語辞典と漢和辞典

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 今回は、おすすめの国語辞典、漢和辞典、国語便覧、国文法書について紹介します。

 ◇このページの紹介書籍にはAmazonへのリンクを付けてありますので参考にして下さい。


<国語辞典>

 現在、中・高校生や一般社会人のための国語辞典と言えば、
・語の使い分けや誤用情報に強く、新語も豊富に収録されていて、学習用の国語辞典として特におすすめの「明鏡国語辞典(大修館)」(約7万項目収録)
・現実味のある思い切った語釈を採用することでトップランナーとなった「新明解国語辞典(三省堂)」(77,500語収録)
・中学生でも分かる簡潔で易しい語釈と新語に強い「三省堂国語辞典」(82,000項目収録)
などを紙版で持ち、それに加えて「広辞苑(岩波書店)」(約24万項目収録)などの大型辞典を収録している「カシオ 電子辞書 エクスワード 高校生モデル XD-Y4800」のような電子辞書でも持っていれば、ほとんど支障はありませんね。

 しかしながら、今回紹介する「ベネッセ表現読解国語辞典」は、今までの国語辞典と比較するとちょっと毛色が違う、とても使い勝手があって楽しい国語辞典で、特に高校受験を控えた中学生や大学受験で現代文を読解するためのキーワードの知識を必要としている高校生には是非使ってほしい辞書です。

 「ベネッセ表現読解国語辞典」は、「辞典部」「漢字部」「機能語部」「敬語表現部」の4部構成になっています。

 「辞典部」は、3万5千項目から成っていて、普通の国語辞典としての機能の他に、特に私達が普段なんとなく分かったつもりでいる、もしくは分かったフリをしているような言葉、普通の国語辞典では今一つイメージが沸かないような言葉を重要語・最重要語として216項目、別建てでページを割いて具体例を挙げながら丁寧に説明しています。

 具体的には、①「逆説」「アイデンティティー」「アイロニー」「形而上」などの現代文キーワード、②「かかる(掛かる・懸かる・架かる・係る)」などの動詞多義語、③「あつい(厚い・篤い)」など形容詞の実用例、④「あし(足・脚)」など名詞の実用例、⑤「あたかも」など副詞の実用例です。

 さらに、「表現チャート」として、例えば「怒る」にも「激しい怒り」「内にわき起こる怒り」「社会に対する怒り」などがあり、それぞれに対してどういう表現がピッタリくるかなどを示してくれます。

 「漢字部」は3004字の親字見出しから成っていて、読み・意味・難読熟語など高校生はもちろんのこと、わたしたちの日常生活に必要な漢字知識の再確認に役立ちます。

 「機能語部」は日本語の文法知識を扱っていて、接続語や自発・推量・意志・などの文末表現、動詞・形容詞・形容動詞の活用、助動詞、助詞について記されています。
 普段、何気なく使っている現代語の文法について再確認することが出来ます。

 「敬語表現部」は文字通り、敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の正しい使い方が12ページ程度ですが示されています。

 この辞書は本来、国語学習の途上にある高校生を対象に編纂されたもので、現代文や小論文を必要とする大学受験生はもちろんのこと、中学生や一般の大人にも非常に有益で勉強になる国語辞典です。

 なお、この「ベネッセ表現読解国語辞典」には、すでに絶版になっている「ベネッセ表現読解国語辞典特装版」があります。

 「通常版」と「特装版」はカバーの色が違うだけで(「通常版」はイエロー、「特装版」はブルー)、辞書本体の内容は同じなのですが、この「特装版」には辞書の内容に沿った書込み問題形式で130ページ弱の「語彙増殖ワークブック」が付いています。

 わたしは、「特装版」を持っているのですが、この「特装版」の存在は実はあまり知られていないようで、現時点ではアマゾンのマーケットプレイスを見ると「語彙増殖ワークブック」が付いてお得な「特装版」の方が「通常版」よりも中古なら千円以上安いのです。世の中って不思議ですねぇ・・・(笑)

 国語辞典に関する読み物としては、国語辞典の楽しさや辞書ごとの特徴などを紹介してくれている「学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 サンキュータツオ 角川学芸出版」があります。
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<国語便覧>

 国語辞典ではありませんが、国語百科としてお薦めなのが「国語便覧」です。
高校生なら、学校指定の国語便覧を購入していると思いますが、一般の大人や国語に興味のある中学生にとっても是非1冊常備しておくと何かと役立ちますし、読み物としても楽しい本です。

 古文、漢文、現代文、文法、文学史、漢字、手紙・小論文・レポートの書き方、小倉百人一首などの和歌、俳句など国語に関する知識が豊富なカラー図版とともに満載されていて、価格も900円強と安価なのも魅力です。

 国語便覧は、主な教科書出版社など各社から出版されていますが、お薦めは全体的な構成や情報量、百人一首に品詞分解が付いている点などから「常用国語便覧 (浜島書店)」(A5判592ページ:2012年発行)です。

 また、構成や内容はほとんど同じでサイズが一回り大きい「最新国語便覧 (浜島書店)」(B5判496ページ:2015年増補版)もあります。

 ちなみに、アマゾンの在庫品は一応、現行版のようですが、表紙画像やページ数は両書ともに旧版のものです。(その後、最新国語便覧の表紙画像だけは現行版に変更されたようです)

 国語便覧のアマゾンでの売れ筋は、なぜか「原色シグマ新国語便覧 (文英堂)」(B5判416ページ)のようですが、小倉百人一首に品詞分解が付いていない点や情報量、全体的な構成などで、浜島書店の国語便覧と比較して若干劣っていますね。


<国文法書>

 学校で習う国語の文法には、現代語の口語文法と古語の文語文法(古典文法)とがありますが、高校で習うのは文語文法(古典文法)がメインになるので、現代語の口語文法は中学で一通り習ってしまいます。

 しかし、高校生でも「文章と文の違い」、「文節と単語の違い」、「句点と読点の違い」、「修飾と非修飾の関係」などを理解していない人たちがたくさんいますね。

 そこで、常備しておきたいのが、口語文法をメインに解説している中学生用の国文法の参考書で、おすすめは「くわしい国文法 中学1~3年 田近洵一 文英堂」(2016/2/25改訂版)です。
 中学生用なので定義・例文・解説などが分かりやすく記述されていて、網羅性や信頼性も高いので、非常に有用な国文法の参考書です。

 中学生・高校生だけではなく、大学生・社会人にとっても現代語の口語文法で疑問を感じたときには重宝するでしょう。

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<漢和辞典>

・中学生~高校日常学習用

 ほとんどの漢和辞典は高校生以上を対象にしているので、純粋に中学用といえるのは「例解新漢和辞典 第四版 増補新装版 (三省堂)」(収録親字数7千字余・熟語数3万5千5百語)くらいです。この漢和辞典は中学生が漢字に親しむために使うというのであれば良い辞書ですが、中学生でも漢詩や故事成語などの漢文を学びますので、漢文学習用としては少し物足りない印象です。

 そこで、中学生~高校生の日常学習用として適しているのが「旺文社漢字典 第三版」(収録親字数1万字余・熟語数4万6千語)です。下で紹介している「漢語林」や「漢辞海」と同様に用例には訳や読みが記載されていて、特に教科書に収録されている主な故事成語の全文・書き下し文・現代語訳などが収録されていたり、別冊の「名詩百選」には主要な漢詩の書き下し文・現代語訳などが記載されているので日常の漢文学習には大いに役立つでしょう。
ただし、大学受験用としては句法や用例などの網羅性の点で少し不十分な気がします。


・高校日常学習~大学受験用の漢和辞典

 漢文学習の入門者が使用するための漢和辞典として、「全訳漢辞海 第四版 (三省堂)」2016年10月改訂(収録親字数1万2千5百字・熟語数8万語)は全用例に訳や読みが付いていて、語義を品詞別に記載し、句法なども丁寧に解説されているので使いやすいでしょう。また、巻末付録の漢文の基本構造を解説した「漢文読解の基礎」なども役に立ちます。
 ただし、語義や例文の訳に多少の癖があることと、高校生には句法などの情報量が多過ぎるような気もします。

 また、同じく漢文学習入門者用の漢和辞典として、同じく全用例に訳や読みが付いた「新漢語林 第二版 (大修館)」(収録親字数1万4629字、熟語数約5万)があります。
 「漢辞海」よりも親字数は多いのですが、熟語数や句法解説の情報量では「漢辞海」と比較して若干劣ります。
 しかしながら、高校生の教科書に採用されているような作品の場合は、「漢辞海」よりも適確な字義(意味)が載っていることがしばしばあります。
 なお、旧版ではほとんどの字義と一緒にその字義を表す熟語が載っていて有益だったのですが、現行の版では用例や句法を充実させたためかその多くがカットされているのが残念なところ。

 ほとんどの方は漢和辞典を1冊しか所有しないと思いますが、漢文学習時には「漢辞海」と「新漢語林」の2冊を引くと丁度よいというのが私の正直な印象です。


・社会人・一般用

 社会人・一般が日常使用する漢和辞典としては、「漢字源 第五版 (学研)」(収録親字数1万7千・熟語数8万8千語)がおすすめです。
 このクラスの漢和辞典では収録親字・熟語が最も多いので、歴史小説などに頻出する旧字体や難読熟語を調べる時に適しています。
 特に仏教関連の熟語が豊富に収録されているので、「空海の風景 司馬遼太郎 中公文庫」のような仏教関連の歴史小説などを読む時には備えておきたい漢和辞典です。

 また、句法解説は、「漢辞海」や「新漢語林」と同様に丁寧に書かれているので、全用例の訳や読みは必要なく、訓読文の例文が収載されていて、収録語数の多い漢和辞典を求めている高校生にもおすすめできます。

※白文(はくぶん)=訓点(返り点や送り仮名など)のない漢文。
※訓読文(くんどくぶん)=白文に訓点(返り点や送り仮名など)を付けた文。
※書き下し文(かきくだしぶん)=訓点に従って、漢字仮名交じりで書いた歴史的仮名遣いの日本文。

 そしてもう1冊、漢文学習の進んだ学生や漢字に関心の高い社会人・大人の方でしたら、サブのリファレンス用として、「新字源 (角川書店)」(収録親字数1万字・熟語数6万余語)を備えておくとよいと思います。

 「新字源」は1色刷りで、収録語数も上で紹介した漢和辞典と比較すると少ないのですが、コンパクトで、語義などの信頼性が高く、内容も濃いのです。

 例えば「朦朧」を「漢語林」・「漢辞海」・「漢字源」で引くと、その意味は①「月がおぼろなさま」、②「ぼんやりかすんではっきりしないさま」で、「朦」と「朧」の単独での意味も「月の光がぼんやりしたさま」ですが、「新字源」で「朦」や「朧」を引くと上の意味に加えて「朦」は月の入り。「朧」は月の出。または月の入り。と書いてあります。
 「新字源」の魅力は、その信頼性と漢字の意味を深く知ることができるることなのです。

 このような理由から、紙ベースの漢和辞典としては、漢文学習用なら「漢辞海」か「新漢語林」、日常使い用なら「漢字源」、リファレンス用なら「新字源」をおすすめします。

・追記
2017/10 「角川新字源 改訂新版」が発売されました。
収録語数は親字約13,500字・熟語約105,000(含参考熟語)に増強され、2色刷りになって見やすくなりました。

 一つ書き忘れました。漢文学習には古語辞典も使用することをお忘れなく。
 「《んとす》って何?」、「《ずんば》って何だ?」というようなときには古語辞典を引けばすぐに解決しますよ。

 以上、皆さまのお役に立てば幸いです。


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