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古文の品詞分解付き対訳書

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  今回は、古文主要作品の品詞分解つき対訳書について紹介します。

 ◇このページの紹介書籍にはAmazonへのリンクを付けてありますので参考にして下さい。


 「山本古文読解講義の実況中継(上) 山本康裕」に、以下のように書いてあった。
 『古文の勉強方法は読むことです。方法を気にしてはいけません。説話(宇治拾遺物語・十訓抄)から入って、「徒然草」、「平家物語」までが初級編。「伊勢物語」、「大和物語」、「大鏡」、「更科日記」ぐらいが中級編。仕上げの上級編が「枕草子」、「源氏物語」』と。 さらに、『百人一首を百首、丸暗記する。そしたら、いっぺんに古文が強くなる。』とも・・・。

 ふと、思い出した。大学受験の頃に持っていたなぁ・・・。そして、押入れを探してみたら出て来た。

 「日栄社(古典Ⅰ解説シリーズ)」の「源氏物語」「枕草子」、「有朋堂(明解シリーズ)」の「源氏物語」「枕草子」「徒然草」「方丈記・無名抄」、おまけに「十八史略・史記」「漢詩」まで。

 今は絶版になってしまっているみたいですけど、両シリーズともに品詞分解も記載されているので使い勝手が良かった記憶がある。

 現在、古文の対訳書は日栄社、三省堂、中道館、旺文社などから出版されているが、対訳だけではなく全文の品詞分解が収載されている方が、特に助動詞や助詞などの品詞識別で迷った場合などに助けとなる。

 書店で確認すると、「日栄社の新・要説シリーズ」「要説シリーズ」「三省堂の新明解古典シリーズ」は品詞分解なし。

 「中道館の古典新釈シリーズ」と、同じく「中道館の精釈シリーズ」、それに「旺文社の文法全解シリーズ」が品詞分解付きだった。

 品詞分解が収載された、「中道館の古典新釈シリーズ」、「中道館の精釈シリーズ」、「旺文社の文法全解シリーズ」の中で、収録作品が多さと、解説が詳しく解釈にも新しい研究が盛り込まれている「中道館の古典新釈シリーズ」が気に入った。

 伊勢物語に関しては、訳は「古典新釈シリーズ」が良かったのだが全段収載ではなかったので、全段が収載されている同じく「中道館の精釈シリーズ」にすることにした(後日、「古典新釈シリーズ」の伊勢物語も購入)。

 ちなみに、「古典新釈シリーズ」の「伊勢物語」は、全125段中のうち43段が収録されていて、教科書に載っているような段なら、ほとんど収録されています。

 品詞分解付き対訳書の売れ筋は、ブランド名によるためか「旺文社の文法全解 古典解釈シリーズ」だが、枕草子や徒然草をはじめとして各作品ともに収載量が少なく、訳も気に入らないので見送った。
 また、この文法全解シリーズには現代仮名遣いも記載されているので良さそうに見えるのですが、かなり間違いがあります。こんなに間違えるなら記載しなければいいのにというレベルです(笑)

 訳が気に入らないと思ったのは、例えば「伊勢物語 筒井筒」の冒頭「田舎わたらひしける人の子ども」を「田舎を回って行商をしていた人の子ども達」と解釈している点などである。

 これについては諸説あるようですが、筒井筒全文を読むと「田舎を回って行商をしていた人の子ども達」とするよりも、「田舎暮らしをしていた役人(地方官)の子ども達」と解釈したほうが妥当ではないでしょうか。

 主要作品の訳や品詞分解を収録している「小学館全文全訳古語辞典」も行商説で解釈している。

 品詞分解付きの古文参考書である「古文の核心 長尾高明 学研」では「地方まわりの仕事をしていた人の子どもたち」としていて、少し言葉を濁した感じです。

 「小学館全文全訳古語辞典」と「古文の核心」の収録作品にについては、
「全文全訳古語辞典・古文の核心の品詞分解収録作品」の記事に記載しましたので参考にして下さい。
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 ・大鏡は、中道館の両シリーズには「道隆と福足君」(道兼伝)が収録されていないようなので、「文法全解大鏡 旺文社(古典解釈シリーズ)」(絶版)の方が収録作品の網羅性が高い。

 ・源氏物語に関しては、語句文法解説は「中道館 古典新釈 源氏物語」が詳しいが、訳は「文法全解 旺文社 源氏物語」の方が分かりやすい。

 古文の文法・解釈は研究者によって諸説あるので、学習者側としては「どっちなんだろう」と迷うことが多いですから、可能であれば複数の参考書籍を所有していた方が良いと思います。

 教科書ガイドは価格が高いわりには、文法語句解説があまり詳しくなく、訳もなんか変だなぁと思うものが多いですね。

 なお、現在、「万葉集~新古今集」・「伊勢物語」・「小倉百人一首」などの和歌、「徒然草」・「枕草子」などの主要作品を品詞分解付きで投稿しています。詳細は、「品詞分解:ブログ収録作品一覧」を参照して下さい。


◆下記に私が購入したものを含め、中道館のものを中心に主要作品の品詞分解つき対訳書を示しておきます。

※大和物語に関しては、品詞分解つき対訳書は無いようです。

「宇治拾遺物語・沙石集 中道館 古典新釈シリーズ」

「今昔物語 中道館 古典新釈シリーズ」

「竹取物語 中道館 古典新釈シリーズ」 (絶版)
「文法全解竹取物語・堤中納言物語 旺文社 古典解釈シリーズ」

「方丈記 中道館 古典新釈シリーズ」 (全編収録)
「文法全解方丈記・無名抄 旺文社 古典解釈シリーズ」 (方丈記は全編収録)

「徒然草 中道館 古典新釈シリーズ」 (収録段は多いが「吉田と申す馬乗り」未収録)
「文法詳解徒然草精釈 中道館 精釈シリーズ」 (「吉田と申す馬乗り」収録)
「徒然草全釈 中道館」 (全段収録)

「平家物語 中道館 古典新釈シリーズ」

「土佐日記 中道館 古典新釈シリーズ」 (全編収録)

「伊勢物語 中道館 古典新釈シリーズ」 (主要な段収録)
「文法詳解伊勢物語精釈 中道館 精釈シリーズ」 (全段収録)

「文法詳解大鏡増鏡今鏡精釈 中道館 精釈シリーズ」
「大鏡 付増鏡 中道館 古典新釈シリーズ」 (絶版)
「文法全解大鏡 旺文社 古典解釈シリーズ」 「道隆と福足君」収録

「更級日記 中道館 古典新釈シリーズ」 (全編収録)

「かげろふ日記 中道館 古典新釈シリーズ」

「枕草子 中道館 古典新釈シリーズ」 (絶版) (収載作品多い)
「文法詳解枕草子精釈 中道館 精釈シリーズ」
「枕草子全釈 中道館」 (絶版) (全段収録)

「源氏物語(一)~(五) 中道館 古典新釈シリーズ」 (一部絶版) (語句文法解説が詳しい)
「文法全解 源氏物語(一)~(四) 旺文社」 (一部絶版) (訳が分かりやすい)

「百人一首 中道館 古典新釈シリーズ」 (全首収録)

「万葉集 中道館 古典新釈シリーズ」

「古今和歌集 中道館 古典新釈シリーズ」

「新古今和歌集 中道館 古典新釈シリーズ」

「おくのほそ道 中道館 古典新釈シリーズ」 (全編収録)

「日本永代蔵・世間胸算用 中道館 古典新釈シリーズ」

「雨月物語 中道館 古典新釈シリーズ」 (絶版)

 以上、みなさまのお役に立てば幸いです。
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初めまして、今晩は。

中道館の『精釈シリーズ』『新釈シリーズ』は大変参考になりますので、全巻の復刊を望みたいところですね。

さて、中道館さんからは上記2シリーズの他に『全(選)釈シリーズ』と言うものも出ています。
内容は『精釈シリーズ』を増補函入り上製本にしたものです。
殆どが絶版の様ですが、在庫の有るものもある様です。
『日本の古本屋』HPで検索しますと結構ヒットしますので、もしよろしければご覧になってみて下さい。

奥の細道全釈
竹取物語全釈
徒然草全釈
土佐日記全釈
万葉集選釈
枕草子全釈
百人一首全釈
方丈記全釈

が出版されています。
『万葉集選釈』以外は全編収録で、特に枕草子、徒然草は他になかなか無い全文の品詞分解付きですから重宝します。

Re: 全釈シリーズ

こんにちは。貴重な情報ありがとうございました。

「全釈枕草子」は絶版のようですが、「全釈徒然草」はAmazonやジュンク堂などにも在庫があるようですね。

いただいた情報をもとに記事の書籍リストにも追加しておきました。

今後ともご教示宜しくお願いします。

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Re: ↑

「万葉集選釈」は、画質はよくありませんが、ネット上にPDFが落ちていました。

https://docs.google.com/folderview?id=0B6sgfDBCamz5QnczRGtJNnZrLXc&usp=docslist_api
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