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百人一首(20) わびぬれば今はた同じ難波なる 品詞分解と訳

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 今回は、「小倉百人一首」収録和歌(歌番号 20番)の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・作者・出典・英訳・MP3音声・おすすめ書籍などについて紹介します。


小倉百人一首 歌番号(20) 元良親王
 
    
わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ


<読み(発音)>

ワビヌレバ イマハタオナジ ナニワナル ミヲツクシテモ アワントゾオモー


<音声> ※音声はDownloadして自由に使って下さい。

百人一首020.mp3
(クリックすると、ちょっと音痴なカワイイ棒読みちゃんが歌を読んでくれます。)


<現代語訳>

このようにつらい思いで嘆き苦しんでいるのだから、今はもう身を滅ぼしたのと同じことだ。難波にある澪標(みおつくし)のように、わが身を滅ぼしてでもあなたに逢おうと思う。

(宇多天皇の女御である京極御息所との密会が露見したことにより絶望的になった心情が激しく吐露されている。)


<英訳>

In this dire distress
My life is meaningless.
So we must meet now,
Even though it costs my life
In the Bay of Naniwa.
  
『University of Virginia Library Japanese Text Initiative, Ogura Hyakunin Isshu 100 Poems by 100 Poets 』 より英訳を引用


<出典>

後撰集・巻13・恋歌5・961 「事いできて後に、京極の御息所につかはしける・元良親王」

京極の御息所 :宇多天皇の女御となり雅明(まさあきら)・載明(としあきら)親王を生んだ藤原褒子(ふじわらのほうし)

「拾遺集・恋2」にも収録されている
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<品詞分解・語句文法解説>

わび :動詞バ行上二段活用「わぶ」の連用形 つらいと思う。思い悩む。悲観する。

ぬれ :完了の助動詞「ぬ」の已然形 

ば :順接確定条件(原因・理由)の接続助詞 ~ので。~から。

今 :名詞

はた :副詞 もう。

同じ :形容詞シク活用「同じ」の終止形 ※下の<特記>を参照のこと。

難波(なには) :歌枕 大阪付近。この歌では、大阪付近の海のこと。

なる :存在の助動詞「なり」の連体形

み :名詞

を :格助詞

つくし :動詞サ行四段活用「尽くす」の連用形

て :格助詞

も :係助詞

逢は(あは) :動詞ハ行四段活用「逢ふ(あふ)」の未然形

む :意志の助動詞「む」の終止形

と :格助詞

ぞ :係助詞

思ふ :動詞ハ行四段活用「思ふ」の連体形

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<特記>

『同じ』 
この「同じ」には諸説ある。
①身を滅ぼしたも同じ。
②露見してしまったのだから、堂々と逢っても同じ。
③思い苦しむのは以前と同じ。
※このブログでは一般的な①とした。

『みをつくし』は、『身を尽くし』と『澪標(みをつくし)』の掛詞
「澪標 (みをつくし)」=水路を知らせるために海や川に並べ立てた杭。
「水脈(みを)つ串」の意味。 ※「つ」は上代(奈良時代以前)の格助詞(~の。~にある。)


<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

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◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。


<作者>

元良親王(もとよししんのう)
890年~943年。平安前期の歌人。陽成天皇第一皇子。三品兵部卿。風流な貴公子として知られ、女性との贈答歌が多く、「大和物語」などに逸話を伝える。

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<和歌の基礎知識>

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<修辞法(表現技法)・係り結び>

・句切れ :二句切れ

・掛詞 :「みをつくし」が、「身を尽くし」と「澪標」の掛詞

・縁語 :「みをつくし」は、「難波」の縁語

・序詞 :「難波なる」が、「みをつくし」を導く序詞とする説もある。(このブログでは不採用。)

・歌枕 :難波

・係り結び :「ぞ」→「思ふ」

※「修辞法」が分からない人は、上にリンクをつけてある「修辞法の基礎知識」を、「係り結び」が分からない人は、「文法・用語の基礎知識」を読んでね。


<私の一言>

この歌は、解釈がとても難しい歌ですね。

「同じ」について、文法特記で諸説あることを書きましたが、「わび」についても、、

①露見して思い苦しむ。
②もともと恋の苦しさに思い煩っていた。

とする説があるようです。

例解古語辞典によると、「難波なる」を、「名にはなる」と解釈する説もあるそうで、

もう、頭がコンガラガってしまうので、深く考えたくない歌ですね(笑)


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