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古今集 春がすみ立つを見捨てて行く雁は 品詞分解と訳

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 今回は、「古今和歌集」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。


古今集・巻1・春歌上・31 伊勢

帰雁をよめる
(帰る雁を詠んだ歌。)


春がすみ立つを見捨てて行く雁は花なき里に住みやならへる


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

はるがすみ たつをみすてて ゆくかりは はななきさとに すみやならへる


<現代語訳>

春霞が立つのを見捨てて北へ帰って行く雁は、花のない里に住み慣れているのだろうか。(せっかく美しい花が咲く、よい季節になったのに。)

(雁を擬人化し、去るのを惜しむ気持と春を迎える喜びを詠んだ歌。)


<品詞分解・語句文法解説>

春がすみ :名詞

立つ :動詞タ行四段活用「立つ」の連体形
準体法なので、この場合は「の・季節」などを補って訳出。
準体法については、下にリンクを付けてある「古典文法の必須知識」を読んでね。

を :格助詞

見捨て :動詞タ行下二段活用「見捨つ」の連用形

て :接続助詞

行く(ゆく) :動詞カ行四段活用「行く」の連体形

雁 :名詞

は :係助詞

花 :名詞

なき :形容詞ク活用「なし」の連体形

里 :名詞

に :格助詞

住み :動詞マ行四段活用「住む」の連用形

や :疑問の係助詞

ならへ :動詞ハ行四段「ならふ」の已然形 慣れ親しむ。
※「住みやならへ」は、複合動詞「住みならふ」の間に係助詞「や」が入った形。

る :存続の助動詞「り」の連体形
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<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。


<作者>

伊勢(いせ)
877年頃~天慶年間(938~947)。平安前期の女流歌人。三十六歌仙の一人。伊勢守藤原継陰の娘。宇多天皇の后である温子に使え、のちに宇多天皇の寵愛を受けて皇子を生んだので「伊勢の御」、「伊勢の御息所」と称された。平安中期の女流歌人である中務の母(中務の父は宇多天皇の皇子敦慶親王)。家集「伊勢集」。


<和歌の基礎知識>

◎和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◎和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)・係り結び>

擬人法 :雁

係り結び :「や」→「る」


<私の一言>

春の和歌では、在原業平の「世の中に絶えて桜の~」が一番好きですが、今回紹介した和歌も雁を擬人化した表現が洒落ていて好きですね。

その他の春の歌では、「ひさかたの光のどけき~」も有名ですよね。


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

古文や和歌を学ぶための学習書や古語辞典については、おすすめ書籍を紹介した下の各記事を見てね。
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