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古今集・伊勢 さつき待つ花橘の香をかげば 品詞分解と訳

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 今回は、「古今和歌集」と「伊勢物語 花橘」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。


古今集・巻3・夏歌・139 よみ人しらず & 伊勢物語 第60段 「花橘」

古今集 題しらず


さつき待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

さつきまつ はなたちばなの かをかげば むかしのひとの そでのかぞする


<現代語訳>

五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔親しくしていた人が袖に薫(た)きしめていた香(こう)の香りがして、なつかしいことだ。


<品詞分解・語句文法解説>

さつき :名詞 陰暦五月。 ※この歌は陰暦四月(初夏)歌。

待つ :動詞タ行四段活用「待つ」の連体形

花橘(はなたちばな) :名詞 橘はミカン科の常緑樹。初夏に香りの高い白い花をつける。

◇この歌から花橘といえば昔の人をしのぶ詩的常識が生まれ、この歌を本歌とする本歌取りも多くみられる。「橘のにほふあたりの~」が有名。

の :格助詞

香(か) :名詞

を :格助詞

かげ :動詞ガ行四段活用「かぐ」の已然形

ば :接続助詞
※順接確定条件の単純接続・偶然的条件(~すると。)、恒常的条件(~するといつも。)のどちらにも解釈できる。

昔 :名詞

の :格助詞

人 :名詞 
※「昔の人」昔なじんだ人。古人ではない。

の :格助詞

袖(そで) :名詞

の :格助詞

香(か) :名詞
※「袖の香」当時は、入浴の習慣がなかったので、体臭を消すために、それぞれ独特の香を着物に薫(た)きしめていた。

ぞ :係助詞

する :動詞サ行変格活用「す」の連体形
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<古典文法の基礎知識>

「古文」を苦手科目から得意科目にする古典文法の基礎知識です。

◇「現代仮名遣い」のルールについては、「現代仮名遣い・発音(読み方)の基礎知識」の記事をどうぞ。

◇「用言の活用と見分け」については、「用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用と見分け方」の記事をどうぞ。

◇「助動詞・助詞の意味」や「係り結び」・「準体法」などについては、「古典文法の必須知識」 の記事をどうぞ。

◇「助動詞の活用と接続」については、「助動詞の活用と接続の覚え方」の記事をどうぞ。

◇「音便」や「敬語(敬意の方向など)」については、 「音便・敬語の基礎知識」の記事をどうぞ。


<和歌の基礎知識>

◎和歌の文法、用語、和歌集、歌風などについては、「和歌の文法・用語の基礎知識」をどうぞ。

◎和歌の修辞法(表現技法)については、「和歌の修辞法(表現技法)の基礎知識」をどうぞ。


<修辞法(表現技法)・係り結び>

・修辞は特にありません。

係り結び :「ぞ」→「する」

◇この歌の「句切れ」を検索している人たちがいるようなので書いておきますが、この歌は「句切れなし」ですよ。歌の途中に意味上の切れ目(文が終止している所)がないでしょ。

※「句切れ」が分からない人は、上にリンクをつけてある「修辞法の基礎知識」を、「係り結び」が分からない人は、「文法・用語の基礎知識」を読んでね。

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<伊勢物語>

この和歌は伊勢物語・第60段・「花橘」にも収められている。

伊勢物語では、妻を他の男に寝取られた男が、出張先で元妻と再会した時に詠んだ歌。

そのあと、元妻は自分の行為を恥じて尼になり、山にこもったという話。


<私の一言>

春や秋に比べると、夏の和歌は少ないですよね。

夏は人の情感を揺さぶるようなことが少ないのか・・・
それとも、暑くてうっとうしいので、歌など詠む気にならないのか(笑)

このブログで一番記事数が多いのに、一番人気のないのが和歌の記事だったんですけど・・・(笑)
最近、妙に、閲覧者が増えてきました。
学校で、伊勢物語や大和物語などの歌物語を習う時期なんでしょうね。

夏は、和歌を詠む気分にはならないのかも知れませんが、読む気分にはなるようです・・・。


<和歌索引>

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<古文や和歌の学習書と古語辞典>

古文や和歌を学ぶための学習書や古語辞典については、おすすめ書籍を紹介した下の各記事を見てね。
《古文・和歌の学習書の記事へ⇒》

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