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新古今集・伊勢 白玉か何ぞと人の問ひしとき 品詞分解と訳

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 今回は、「新古今和歌集」と「伊勢物語 芥川」収録和歌の現代語訳(口語訳・意味)・品詞分解・語句文法解説・修辞法(表現技法)・おすすめ書籍などについて紹介します。

◇芥川(全文)の品詞分解・訳・解説は、「リンク・芥川(全文)」からどうぞ。


新古今集・巻8・哀傷歌・851 業平朝臣(在原業平) & 伊勢物語 第6段 「芥川」


新古今集
白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消なましものを

伊勢物語
白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを

※新古今集「消(け)」→伊勢物語「消え」


<平仮名> (歴史的仮名遣い)

しらたまか なにぞとひとの とひしとき つゆとこたへて け(きえ)なましものを


<現代語訳>

「あれは真珠ですか、なんですか」と女が尋ねたとき、「あれは露だよ」と答えて、その露がはかなく消えるように私も死んでしまったらよかったのになあ。(そうすればこんな悲しい思いはしなかったはずだ。)


<私の一言>

この歌に出てくる女というのは、二条の后。

彼女がまだ若くて、普通の臣下の身分だった頃に、彼女を連れだして逃げる途中で鬼に食われてしまったのを嘆き悲しんで詠んだ歌です。

本当は、鬼ではなく彼女の兄たちに連れ戻されたのですが・・・。


<作者>

在原業平(ありわらのなりひら)
825年~880年。六歌仙、三十六歌仙の一人。平城(へいぜい)天皇の皇子である阿保(あぼ)親王の第五子、母は桓武天皇の皇女である伊都(いと)内親王。在原の姓を賜って皇族の身分を離れ臣籍に下る。在原行平の異母弟。容姿端麗、奔放でおおらかな性格であったといわれており、「伊勢物語」の主人公「昔男」のモデル。また、「源氏物語」の主人公「光源氏」のモデルとする説も一部にはある。蔵人・右馬頭などを経て蔵人頭・右近権中将・美濃権守に至る、従四位上。在五中将(在原家の五男の意味)、在中将と呼ばれた。朝臣(あそん)は、五位以上の人の姓名につける敬称。

《参考》 二条の后(にじょうのきさき)
842年~910年。藤原長良(ふじわらのながら)の娘で高子(たかいこ)。清和天皇の即位に伴う大嘗祭(859年)において、五節の舞姫を務め、清和天皇が東宮であった時に女御(866年)となり、貞明親王(後の陽成天皇)を生んで(869年)、中宮(877年)を経て皇太后(882年)となった。
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<品詞分解・語句文法解説>

白玉 :名詞 白い美しい玉、特に真珠のこと。

か :疑問の終助詞
※疑問の係助詞とする説もある。係助詞とした場合も終助詞的用法(文末用法)なので係り結びはない。

何(なに) :代名詞

ぞ :終助詞(疑問語とともに用いて強い問いかけを表す)
※係助詞とする説もある。係助詞とした場合も終助詞的用法(文末用法)なので係り結びはない。

と :格助詞

人 :名詞

の :格助詞

問ひ :動詞ハ行四段活用「問ふ」の連用形

し :過去の助動詞「き」の連体形

とき :名詞

露 :名詞

と :格助詞

答へ :動詞ハ行下二段活用「答ふ」の連用形

て :接続助詞 ~て。

消(け) :動詞ヤ行下二段活用「消ゆ(きゆ)」の連用形 「消え」の約音(つづまった音) 
※伊勢物語は、「消え」

な :強意の助動詞「ぬ」の未然形
※完了の助動詞「つ」or「ぬ」+推量の助動詞(「む」「べし」「まし」など)=完了→強意(確述)を表す。

まし :反実仮想(反実希望)の助動詞「まし」の連体形 ~だったらよかったのに。
「なまし」 :~してしまえばよかったろうに。
「反実仮想」=事実とは反対のことを仮定して想像する。

ものを :詠嘆の終助詞 ~のになあ。 
※「逆接の接続助詞」(~のに。)とする説もある。

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<修辞法(表現技法)>

・縁語 :「消(け)」/「消え」が、「露」の縁語


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